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MESSAGE

代表メッセージ

MESSAGE / TAKE FIVE CO.

PHOTOGRAPHY: YUU KAWAKAMI
DESIGN: KUNITAKA KAWASHIMO

MESSAGE

「レストランを通して
沢山の人を幸せに」

まだ私が学生の頃、母のレストランを手伝っていた時、深夜に訪れたお客様に言われた言葉があります。

「私 深夜のレストランって嫌いなの!」
「はあ・・・」
「私達は仕事上、深夜に食事をするのでしようがなく来るんだけど、嫌いなの」
「はあ・・」
「でもこのレストランはあなたがいるから来るの。あなたは深夜のお店にしては珍しく思いやりをもって接してくれるから」

とてもうれしかったのを覚えています。

当時、学校の部活の合間に母のお店を手伝っていただけですから「接客」などというものを考えたこともなければ「接客」という仕事があることすら知らなかったと思います。
ただ、漠然と「目の前にいる“人“に喜んでもらいたい」と思っていたとは思います。結局その方は有名なフランス料理店のマダムであり、プロとしてのレストランという仕事を教えてくれた方となりました。

あれから20余年、当時飲食業と呼ばれていたこの業界は、今では外食産業やサービス産業と呼ばれるようになりました(産業とは社会の中になくてはならないインフラという意味だそうです)。
その外食産業も成熟期を迎え、この先はどこへ行くのか?どうしていくのか?

私たちの仕事はおいしい料理を作ること、お客様を気持ち良く接客することであることは間違いありませんが、その先へ行きたい。
私たちがこだわりを持って創ったレストランを通して、沢山の人に幸せになってもらいたいと考えています。

「おもてなしの心をもって」「ホスピタリティの心をもって」

いずれ私たちの身を置く場所が、社会になくてはならないおもてなし産業とかホスピタリティ産業と呼ばれる様にしていけたらと思っています。

仲間と始めた小さな会社も今では200人を超える様になりました。

この先どんなに大きくなっても私たちの本質はお客様に喜んでもらうこと、そして働くスタッフに喜んでもらうことです。
お客様と現場で働くスタッフとの接点を大切に。
働くスタッフと会社との接点を大切に。
かつて学生の私が深夜のレストランでお客様に喜んでもらった場の主役になれたように。
テイクファイブで働く皆さんがお客様に喜んでもらう舞台の主役でいられるように。

そんな会社にしていきたいと思っています。

INTERVIEW

すべてのお客様に、優しい気持ちを届けたい。楽しく笑い、喜んでいただきたい。

Sanae Yoshizawa(以下SY):TAKE FIVEの創業は1993年。バブルがはじけて終わりを迎えた頃ですね。どのような想いで事業をスタートされたのでしょうか?

Kazuki Toyama(以下KT):イタリアンやフレンチなどが流行し、飲食店がとても派手になっていったタイミングでした。当時、僕はまだ大学を卒業したばかりで、そういうラグジュアリーなお店は敷居が高くて行けなか

ったんですよね。だから、僕のような若い世代でもレストランをカジュアルに楽しめたらいいなぁ、と思って、港区・表参道に小さなビストロ「RED PEPPER」を作りました。それがすべての始まりです。
創業からしばらくは流行を一番に考えていたので、ワインバーを経営したこともありました。「こんな時、こんな場所に、こんな料理と空間があったらいいな」という自分たちの感覚を大切にひとつずつお店を作り、店舗数を増やしていきました。

SY : 2013年に創業20年を超え、「RED PEPPER」は今年創業22年を迎えました。時代は大きく変わりましたが、「TAKE FIVE」が「変わらなかったこと」は 何でしょうか?

KT : 会社が成長していくなかでいろいろなことがありましたが、昔からずっと「常連様」という言葉を大切にしています。
例えば、初めて来てくだるお客様。その方は、星の数ほどの中から私たちのお店を選んでくださったわけですが、その出会いを無駄にしたくないな、と常に思ってきました。
「せっかく自分達の店であり、家に来てくださったんだから。積極的にお話をして、お店を好きになっていただきたいよね」
「美味しいものをたくさん食べていただいて、顔馴染みになっていただきたいよね」
「なんで、僕たちを選んでくれたんだろう? って聞いてみたいよね」
サービスを考えたり、売り上げを上げようとするなかで、

RED PEPPER

そういう話をみんなでよくしてきましたが、そのなかで生まれたのが「常連様」という言葉。
それには、「すべてのお客様に、優しい気持ちを届けたい、楽しく笑い、喜んでいただきたい。僕たちの店にふれあうことで幸せになって欲しい」というお客様に対する想いが詰まっています。これだけは、創業20年を超えた今でもまったく変わらず、自分たちのなかに存在している気持ちだと思います。

SY : 逆に「変わったこと」はありますか?

KT : 4人の仲間でスタートした小さな会社でしたが、今では150人を超えるスタッフに支えられて毎日を過ごしています。「お客様に幸せになっていただきたい」という気持ちと同時並行的に、「一緒に働く仲間たちに

も幸せになって欲しい」と強く思うようになりました。
飲食業は今や、外食産業と言われるまでに成長し、現代人にとって、生活のインフラともいえる存在になりました。
金銭的なことはもちろん、精神的なことも含めて、外食産業で働くスタッフの地位向上を真剣に考えたいな、と思っています。
働く人にとって、仕事は人生の多くの時間を使うもの。だから、自分達が何か動くことによってそれぞれに幸せをしっかり感じられるようなものにしたいな、と思っています。それから、例えば、ゴミが落ちていたら自然と拾えるような。そういう心の豊かな人が育ち、卒業してもらえたら、経営者として嬉しいな、思うようになりました。

SY : これからの未来。どういった展開を考えていらっしゃいますか?

KT : 今までと同じように、「お客様に幸せになっていただく機会を増やすこと」を一番、大切に。また、繰り返すようですが、一緒に働く仲間達、その家族や友人までを含めて、より幸せに暮らせるようになっていくこと、よりその仕事や人生を充実したものにできるようにすることに会社として取り組んでいきたいです。そして、そういった大きな目標のなかで、もう少しだけお客様に、僕たちのやりたいことや気持ちが伝わるような事業形態を模索し、チャレンジしてみたいな、と思っています。
みんなで積み重ねてきた料理の知識や接客の技術などを総合的に整えながら、バランスのとれた会社になる

こと。食べ物のことはもちろん、空間的なデザインや、ホスピタリティーとも言われる精神的なサービス、つまり親切心や思いやりなどを深く理解すること。そういう自分たちの努力がすべてぴたっと合わさった時に、お客様に心から感動していただけると思うんです。
それらを学ぶ一方で、もう少し表現を磨いていきたい。実際に感動していただける機会を増やしていきたいな、と考えています。
横に横に広げるのではなく、深く深く。そのなかで広い所が見えてくるんじゃないかな、って。飛び級はありませんから。今の自分たちからの一歩しかない。今ある事業をどういう風に考えるか。今あるなからどんな縁があるのか、広がるのか。しっかり一歩ずつ進んでいきたいと思っています。

お客様と働くスタッフの「ちょっと楽しい」日常を創造する

SY : 「コアパーパス」。つまり主たる目標であり、企業理念ですが。「私たちはこだわりの食事の場を通して、お客様と働くスタッフの『ちょっと楽しい』日常を創造します」と掲げられています。このメッセージに込められた想いを教えてください。

KT : 道端で花を見つけると

ちょっと嬉しいような。ふらっと入ったお店で優しくしてもらえて、嬉しかった、楽しかった。そういうことって皆さんも体験されたことがあると思います。
日常の中で少し何かよくしてもらえたりとか、毎日の中にちょっとなんかいいことがあったりする。そんな風に感じていただけるようなお店、サービスを目指そうよ、という想いが込められています。
現場のスタッフも自分たちの日常ごととして、お客様と同じ目線で生活をして。自分の意思でお客様に喜んでいただくようなことをみんながそれぞれに考えられたらいいな、と。
メニューをはじめ、ほとんどのことは基本的に、現場のスタッフに任せています。昔は僕がたくさん指示をしていたんですけれど、今はほとんどしなくなりました。ちょっと手前味噌かもしれませんが、現場が考えてい

る質が高いんですよね。

SY : 参加意識が高いんですね。何か特別な教育や研修プログラムがあるのでしょうか?

KT : 会社が大きくなる過程のなかで、いろいろと悩みまして。組織の仕組みづくりに取り組むようになりました。
もちろんまだまだ道半ば。本当に自らの頭で考え出すっていうような組織・仕組みを作るのはなかなか難しいですね。飲食店が良くなるためには、それぞれの店舗だけの力ではなかなか難しくて。企業として、研修や経験、そして、時には失敗させる機会を用意しないと、ダメなんですよね。
もちろん。安全性を維持するにはお金がかかるので、

企業として足腰をしっかり
しないといけません。現場
の人達が信頼を会社におき
ながら、自由に挑戦できる
関係を作っていかないといけないんだと思います。
同じことをするとしても、トップダウン的にあれをやるなこれをやりなさい、と、指導すると、マニュアルを作ってそれを運用して……。みんな一緒、みんな同じような店になっていくと思うんです。だから僕たちは、現場に出来るだけ裁量を与えています。お店や各ブランドの個性が立地環境やお客様により寄り添う形で、出てくるといいな、と思っています。でも、そこはいまはまだ挑戦中かな(笑)。なかなか終わりはないんでしょうけれども。一歩ずつ、みんなで成長しています。

料理

SY : コアパーパスとは別に、5つの行動指針を掲げていらっしゃいます。
私たちは、お互いに感謝の気持ちを持って接し、働きやすい環境をつくります。
私たちは、大切な人に喜んでもらえる料理をお客様につくります。
私たちは、あなたがその時にしてほしいサービスをお客様にします。
私たちは、地域の人たちに愛される存在になります。
私たちは、将来の成長の為には利益が必要である事を認識します。
今年から内容を刷新されたと伺いました。その狙いはなんでしょうか?

KT : いろいろと悩み続けて、変化をしてきましたが、

今年から変えたこの内容が、今までで一番いいんじゃないかな、と気に入ってます。
最初はいわゆる「QSC」だったんです。クオリティーが一番最初。そして、商品→サービス→空間→地域→利益みたいな順番で考えていました。
実は今回、初めて仲間を一番最初に考える、というアイデアを持ちました。
働くスタッフ同士がもっとも大事。それが現場のみんなにも自然とすごく理解をしてもらえるようになって。僕自身もとてもしっくりきています。それがとても良かったかな、と思います。

SY : スタッフのみなさんに期待することは何でしょうか?

KT : プライドを持って欲しい。この仕事は、多くの人をすごく幸せにすることが出来るんです。意識の持ち方次第でとても楽しい仕事だと思う。僕自身も実際にそうで、やればやるほど、お客様はみるみるついてくるし、みるみる信頼されていきます。ちゃんと気持ちを持って接すると皆さん、返してくれるんですよね。それはお客様も仲間も同じことなんですけれど。
誰がやっても同じ仕事じゃなくて。「私がやるんだったらこうしたい」とか「僕を見てもらいたい」って、思って頑張って欲しいな、と思っています。
外食産業は、雇用の受け皿と言われていて、最近の統計だと、10人のうち7人くらいが、飲食業に従事した経験があるそうです。
多くの人が経験するわりに、通りすぎていく人も多い仕事ですが、人に喜んでもらえる仕事として、プライドを

持ってやって欲しいな、と思います。
僕たちは食に関する仕事をしていますが、お腹を満たす為の食べ物もあれば、晴れの場の食事もある。いろんなシチュエーションがあります。どんな食事であっても、幸せな瞬間があり、意味があるものです。そういったところで何か喜んでいただく体験をすること、そういうことを目の当たりにすることが重要なんじゃないかな、って思っています。たとえ何か違う業界で働くとしても同じこと。経験は将来に繋がります。

SY : 「幸せ」という言葉がお話のなかにたくさんでてきました。素敵ですね。

KT : このインタビューのために用意したのではなく。自分の普段の言葉でお話をするようにしたつもりなんで

すが……。そうですか? 無意識でした(笑)。でも、それはとてもうれしいですね。
「幸せ」というと、ちょっと大げさなのかもしれませんが、ちょっと嬉しい、と思っていただいたり、何かに気がついてくださったらいいな、と。お客様はもちろん、スタッフにも同じ想いです。
僕たちが考えていることが外に発信されお客様に伝わることによって、中で働くみんなもプライドが持てるんだと思うんですよね。企業として、そのバランスを整えて、新しい未来を皆さんと一緒に歩んでいけたら幸せだな、と思います。

SY : 本日はありがとうございました。

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